2011/10/19

ECサイトのコンバージョン率を上げるソリューション

日本におけるEC市場規模は2010年度に対前年比2.46%増の約7兆8千億円に達している。

このうち、小売・サービスの合計が5兆2千億円、それ以外の製造、情報通信、運輸、金融、卸売などが約2兆6千億円となっている。
市場拡大に大きく寄与したのは、「医療化粧品」が対前年比38.7%増、「衣料・アクセサリ」が同30.2%増、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品」が同29.2%増などとなっている。

Source:経済産業省 / 平成22年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書

2014年までには12兆円にまで成長すると予想されているECサイトだが、激化する競争に打ち勝ち、集客数を増やし、サイトの売上を伸ばすにはいろいろな課題がある。

最も大きな課題のひとつは直帰、離脱、かご落ち率の改善だろう。

広告やアフィリエート、ソーシャルメディアを駆使し、ようやく集客してきたにも関らず、直帰されたり、突然離脱されるケースが後を絶たない。なんとか決済ページに進み、あとワンクリックで決済完了と言う時にかご落ちされる限り、最終的なコンバージョン率は上がらない。当然、売上も伸びない。

米国の場合、Baymard Instituteによれば平均すると65%がかご落ちしている。
IBMのCoremetrix Benchmarkレポートによれば昨年のBlack FridayやCyber Mondayのかご落ち率は63%前後となっている。
また、FireClickの10月18日時点におけるかご落ち率は75%を越えている。
Source:Baymard.com / 10 Cart Abandonment Rate Statistics
Source:IBM / Coremetrix Benchmark Report
Source:FireClick

日本でも同様だろう。そして、どこの国でも直帰率はかご落ち率よりもひどいのではないだろうか。

この「直帰、離脱、かご落ち率」を改善するため、LPO、ナビゲーションや階層構成改善、決済フローの単純化といった様々な施策が実施されているし、様々なベンダーがソリューションを提供しているが、なかなか結果が出てこない。それが現状だろう。

ここで、ちょっと面白いソリューションがある。

ECサイトへアクセスしたユーザの消費者心理に働き掛け、購買・決済完了を促進し、コンバージョンを向上させるソリューションだ。特定・個別のECサイトに対するソリューションではなく、日本全国のECサイトに適用できる。ECサイト側はこのソリューションが提供するコンバージョンに対してアフィリエート手数料を支払うだけで対応が可能となる。

この大きな可能性をもつソリューションに対して、開発力をお持ちで、興味のある方はご連絡ください。


2011/10/12

Lady Is A Tramp

85歳のTony BennettがLady Gagaとデュエットしているビデオがあがっている。
 
Tony Bennettといえば1989年、五反田のゆうぽーと簡易保険ホールのコンサートに行ったことを思い出した。63歳か64歳の時なので、まだまだ脂の乗り切った彼の歌唱に圧倒されたことを覚えている。それから20年以上たって聴いてみても、Sinatraの晩年と比べても、Bennett はよく歌えている。そして、Lady Gagaのまともな歌唱に惹かれた。

「Lady Is A Tramp」を含め「One for my baby」や「It had to be you」などを収めた「Duet II」というアルバムは発売直後からBillboard 200のトップに登場し、すでにこのビデオはYouTubeで420万回以上視聴されているが、それよりも注目すべきは共有回数だ。
  • 10月8日 
    628,223回(Facebook 612,522回、Twitter 15,402回、Blog 299回)
  • 10月9日 
    652,406回(Facebook 636,315回、Twitter 15,777回、Blog 314回)
  • 10月10日
    678,020回(Facebook 661,562回、Twitter 16,101回、Blog 357回)
  • 10月11日
    701,622回(Facebook 684,842回、Twitter 16,384回、Blog 396回)
Source:Viral Video Chart / Tony Bennett & Lady Gaga - The Lady Is A Tramp

日本でも新聞等に「Toney Bennett Duets II」として広告が出ていたから米国内でも大量のレガシーメディア露出があったはずだ。それらに加え、Blog、Twitter、Facebookで合計70万回以上も共有されているが、特にFacebookだ。Twitterの40倍は共有されている。

どこまで同期しているのか知らないが、BennettのFacebookページのMusic Videoセクションにある「Lady Is A Tramp」の視聴回数は4,087,303回、同じ時間にYouTubeでは4,209,331回となっている。この408万回が「もし」、Facebookページ内での視聴回数を示すとすればYouTube単独で視聴されたのは12万回強でしかない。97%以上がFacebook内で視聴されていることになる。これは途方もないと言わざるを得ない。
Source:Facebook / Tony Bennett Music Video

Toney BennettのFacebookページのファンは10万人ちょっとしかいないので、その10万人がビデオを視聴して共有し、彼らの友人の合計68万人がビデオを共有し、合計420万回以上ビデオが視聴されたと考えることもできそうだ。この途方もない露出・訴求力をFacebookは持っていることになる。

CTRが小数点以下に沈み、emailであれ、電話、DMやFaxであれ、期待される露出や共有、口コミがままならない昨今にも関らず、Facebookは魔法の杖を持っているかのようだ。

ま、大きな「もし」が付いた単なる掛け算と割り算だし、また、旬の有名どころを引っ張ってきてデュエットするという2006年の企画の焼き直しという商魂の逞しさの裏には、Bennett だけでは客を呼べないという現実も透けているため、この共有、訴求の大元はLady Gagaのブランド・露出力に帰すべき現象だろう。

しかし、言えることは共有を期待されるコンテンツがユーザに刺さる時、FacebookはTwitterさえ霞んでしまうほどの威力を発揮するということだ。

そして、10万人強にしか過ぎないページファンであったとしても、「興味を惹く、面白い」コンテンツがあれば、その外縁に連なる友人達の輪を引きこむことができるということだ。

参考:Online Ad / Why people follow brands (2011/07/24)

ただし、この「興味を惹く、面白い」コンテンツとは、新製品発表のプレスリリースでもイベントの紹介でも、どこそこで「なんとか運動」をやっていることでも、こんなCSR活動をやっているということでもない。

ユーザが求めている「興味を惹く、面白い」コンテンツとは、Facebookページだけ、ファンだけにしか提供されない企業・ブランドのオリジナルコンテンツだ。あるいはファンがページに投稿するコンテンツであったり、ページ内におけるファン同士の交流から生成されるコンテンツかもしれない。

いずれにしても、企業・ブランド側のプレスリリース的なコンテンツとは大きく違う。

2011/10/03

Proposal to JAL for Social Media Marketing Strategy

まず、SlideShareおよびScribdにアップしてある資料をご覧いただきたい。

Source:SlideShare / Airlines Twitter Case Study
Source:Scribd / Airlines Twitter Case Study

ご覧頂いたように世界各国の航空会社は、複数のTwitterアカウントを持ち、アウトバウンドtweetの5倍以上にも達するインバウンドtweetに対して、カスタマー・サービスやE-Commerceといった広報・マーケティング部門以外から人材を投入し、顧客・乗客・ユーザのカスタマー・サービス・リクエストに対応している。

そのため、運行情報やキャンペーン、プロモーションを発信するアウトバウンドtweetだけでTwitterを運営している航空会社は非常にまれになってきている。多くの航空会社では顧客の声を聞き、トラブルで困っている乗客の手助けをするリプライを行うのは当然のこととなりつつあり、 「単純にあそこへ行けば分かります、ここで聞けば分かりますとか、ここへアクセスしてください」というtweetではなく、乗客個人のニーズに応じたアウトバウンドtweetを返すことが必要になってきている。

こういった対応には365日24時間対応が求められるので、月~金曜日の定時勤務の広報・マーケティング部隊が担当できるものではない。常時、顧客の声を聞き、できる限りの手助けをしているカスタマー・サービス部門がフロントに立たなければならない。時にはDMにより顧客情報を確認した上で、予約(変更)および発券までこなしているDeltaのような航空会社も出始めているから、予約・発券システムを扱うシフト制のバック要員も必要だということになる。

世間で言われているようにTwitterとは広報やマーケティング担当領域の専属ツールではない。顧客や乗客の声を聞くためのツールなのだ。それを理解し、そのツールを使うために世界の航空会社は体制を整え、フロントからバックエンドやシフト制スタッフのソーシャルメディア教育を行っている。

こういったカスタマー・ファースト、ユーザ・リスニングの戦略を開始している航空会社と、その恩恵を受ける世界の乗客、Twitterユーザが増えている。国際線はもちろんのこと、国内線でもこの「手助けしてもらった。知ってしまっ た。見てしまった。経験した」ユーザ・乗客が増えている。彼らはBlogを書き、Twitterを使ってつぶやき、RTで共有し、Facebookでつながっている。このストリームに「カスタマー・ファースト」のtweetが流れている。

その時、インバウンドtweetに何の対応もせず、アウトバウンドtweet一辺倒の航空会社の評価はどうなるだろうか?乗客の抱える問題を解決もせず、言いたいことだけ、聞かせたいことだけを垂れ流す航空会社の評価はどうなるだろうか?世界の航空会社の対応から取り残されたことさえ理解しない会社の評価はどうなるだろうか?


上の資料に参考として昨年12月のロンドンを襲った大雪に対処したVirgin AtlanticとBritish AirwaysのTwitterアカウントの話をとり上げた。通常ならアウトバウンドだけ、土日休み、9:00-5:00が基本の両社Twitterアカウントの奮闘をどのように見られるだろうか?通常の38倍のtweetを行ったVAのTwitterアカウント、そしてそのサポートを受けた乗客をどのように見られるだろか?また、そのやりとりをオープンな環境で見ていた一般ユーザの反応をどのように見られるだろうか?















ついこの間、9月21日に関東甲信地方を襲った台風15号による大雨と強風で交通網は混乱した。その時、東日本大震災時に活躍したJAL伊丹空港アカウントからは何も発信されていない。JAL羽田キャンペーン事務局アカウントはキャンペーンアウトバウンドのみで、昨年から休止状態。株式会社日本航空JALというアカウントはあるがこれも6月から休止中。そもそも公式アカウントなのかどうかも分からない。

Source:JAL伊丹空港Twitterアカウント
Source:JAL羽田キャンペーン事務局Twitterアカウント

残念なことにJALのカウンターやコールセンターに救いを求めた多くの乗客は求めるものが得られず、携帯やスマフォで情報収集を行ってもヒットするものはわずか、下手をすると「発着案内」画面がつながりにくくなっていた、そんな経験をしていたのではないだろうか?

時間に追われながら乗り継ぎやキャンセル、別便への振り替えの長い列に並んだ乗客の不満は大変なものだったはずだ。

「台風だからしょうがない、航空会社のスタッフはよくやってくれている」、と全ての乗客が感じていたわけはない。

「もっと最新情報が欲しい、なんでスタッフをもっと増やして早く処理しないんだ、俺の便はどうなってるんだ、なんでこんな長い列に並ばなけりゃいけなんだ、明日の早朝の便に乗れなけりゃアウトだ。今時、Twitterで最新情報を発信しない航空会社ってあるのか?」、と感じた乗客は一人もいなかったと断定できますか?

今、災害時や緊急時に顧客、乗客が最も必要とする情報を提供する最後のチャネルがTwitterとなっている。もちろん@DeltaAssistや@AskAirAsiaアカウントは世界的にもまれだが、公式Twitterアカウントさえない場合、どうやって最新、かつ適切な情報を必要とする顧客、乗客個人に伝え、彼らの手助けをすればいいのだろう。

少なくとも、国内でもANAは下から始まり、
当日、12回目の次でTweetを締めくくっている。

一方、3月の震災以降は各地空港スタッフの声を拾い上げ、[JL_Shinsai]として40回にわたり欠航、臨時便、空席待ち、気温、レストラン再開情報などを発信し、一般ユーザとつながっていた@JAL_ITMは沈黙したままだった。
Source:Twitter /JAL_ITM

震災直後から活躍していたこのアカウントが休止状態にあって、台風関連情報を流さなかったことは「残念」だ。また、特に@JAL_ITMアカウントが持っているカスタマー・ファーストのマインドは、それこそ@DeltaAssistや@AskAirAsiaに勝るとも劣らないクオリティを備えているだけに、「もったいない」と思わざるを得ない。


さて、今年1月25日、Kansas CityでAmerican Marketing Associationのランチセミナーで、Blog、Twitter、Facebook、YouTubeなどを駆使したマーケティングで高い評価を受けているSouthWestの広報担当、Laurel Moffatが話をしていた。

そこで彼女が話したこと、すなわち;
  • 何をまず初めにすべきか?
  • どんなことが必要か?
  • 誰が何をするのか、しているのか?
など、もし、より詳しくお聞きになりたい場合、あるいは上の資料についてもっとお知りになりたい場合、また、JAL伊丹空港アカウントが備えているマインドを拡充したいとお考えの場合、詳細プロフィールの連絡先にメールをお送りください。