2010/03/03

Fortune 500 and Social Media

去年、Fortune and Inc. Blogsで紹介したSociety for New Communications Researchから、「The Fortune 500 and Social Media」が出ている。

参考:Fortune and Inc. Blogs (Online Ad 2009/05/13)

まず、Blogだ。2008年の81社(16%)が2009年は108社(22%)へ伸びている。
その108社を業界ごとに分類したリストの一部を見ると、一番伸びたのはコンピュータ・ソフト系が3社、そして、Home Depot、Best BuyやToys"R"Usなどが入る特別小売も3社がBlogを始めている。
Fortune 500とInc. 500のBlogを見ると、Fortune 500が6ポイントアップしているように、Inc. 500のBlog開設も6ポイントアップして45%になっている。もうここまで来ると「やる、やらないで」はなく、「いつ始めるか」という状況だろう。この状況でBlog、ソーシャルメディアのなんたるかを把握、理解せず、企画を提案していない担当者の首は涼しいはずだ。ただし、首が涼しいのはFortune 500やInc.500の担当者だけだ。それ以外は、我関せずでもまだ温かな首を抱えている。
さて、Twitterだが、Fortune 500の35%、173社がアカウントを持っている。その173社を100社ごとのランキングのシェアを見ると、ランキング1~100位がシェア27%で最も多くの企業がTwitterアカウントを持ち、Tweetしていることが分かる。
  • 1~100位   47社
  • 101~200位 35社
  • 201~300位 30社
  • 301~400位 28社
  • 401~500位 33社
業界別に見ると保険業界が13社でトップだ。続いて食品・医薬・日用雑貨、コンピュータ、特別小売、テレコム、ユーティリティが来ている。これはTwitterで直販・販促に力を入れる各社の姿が明らかになっている。「RTして賞品を当てよう」といった賞品ぶら下げキャンペーンを各社がやっている。
Source:AdWeek / Big Biz Embracing Twitter
Source:PRWeb / Society for New Communications Research

いつも思うのだが、こういった普及調査はBlogやTwitterの内容まで掘り下げていない。単に、Blogをやっている、Twitterをやっている(先進?)企業を上げるだけになっている。それでは企業・ブランドのソーシャルメディア対応の本当の姿を描き出せない。

特にTwitterで行われている「RTして賞品を当てよう」キャンペーンは、既存マーケティング手法をオンライン化し、Twitterを使っただけだ。パラダイムシフトを把握した上でのソーシャルメディアマーケティングではない。フォロワー数やRT数の多寡を競うだけの単純なフローに落とした方が提案し易く、マネタイズし易いのは事実だが、このフローから企業・ブランドのコンテンツ、コンテキストを共有、消費、再露出してもらい、ブランドとのエンゲージメントを高めることはできない。

消費者・ユーザは馬鹿どころかレガシーマーケティングの裏をかく。というよりは、レガシーマーケティングを都合よく利用し、マーケターの意図をすっぱりと切り捨てて、うまい汁を吸うだけだ。美味しいところだけをさらい、後ろを向いて舌を出している。

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