2010/01/27

Agency Creative ROI

MarketingExperimentから「Maximize your Agency ROI」というレポートが出ている。サブタイトルは、「How adding science to the creative process revelas a 26% gain」となっている。

EmailのクリエイティブデザインがどれくらいCTRに影響を及ぼすかを調査したレポートだ。

まず、AAA (American Automobile Association)の例がある。下は、30日以内に会員期限の来るメンバーに送られたemailだ。シングルクリックでメンバーシップを延長できる。
次に代理店Aと代理店Bが制作したemailがある。どちらも上と同様に故障した車を背景に、Aは大量テキスト、Bは水平視線上に会員メリットを上げている。どちらも赤の更新ボタンを用意している。もちろん、主要コンテンツはホールドの上にあることは当然だ。

参考:Critical Ad Placement :Above or Below Folds (Online Ad 2008/04/30)
参考:Critical Ad Placement -2 (Online Ad 2008/07/25)
参考:Critical Ad Placement -3 (Online Ad 2009/04/06)
さて、最後に代理店Cが制作したemailがある。こちらは大胆なデザインを取り入れている。赤線枠エリアが通常emailで表示されるエリアだ。普通なら下へスクロールすることになるが、このemailは右へスクロールすることになっている。
さて、コントロール、代理店3社が制作したemailの結果はというと、コントロールが4.18%のCTRに対して、代理店Cのそれは5.25%、コントロール対比25.6%ものアップをたたき出している。
クリエイティブひとつで26%もCTRが向上するわけだ。予算枠内で最大効果を上げるには、こういったA/B/C/Dテストが必要だ。

もうひとつ重要なことがある。

下は家具屋さんのemailの例で、コントロールと代理店A、B、Cが制作したemailだ。
結果として、コントロールemailのCTRが36.70%で最も高い。最低なのは代理店Aの17.68%、コントロール対比51.83%も低い。
この例から学ぶことは、何が最も効果を上げたかを特定することに加え、何が最も効果が低かったかを知ることが重要だということだ。

Source:MarketingExperiment / Email Marketing Strategy

今までのメディアではこんなA/B/C/Dテストも、効果を可視化することもできなかった。こういった土壌があると、テストの実施も、効果に応じてクリエイティブ(エージェンシー)を変更することも、データマイニングも、Email露出モニタリングも検討議題に上がってこない。加えて、このソーシャルメディア時代に即して、ユーザとの対話やコンテンツ共有を前提としたクリエイティブを制作できるエージェンシーもまだ少ないのかもしれない。

しかし、それでも今できることをやらなければ明日はない。

MarketingExperimentのレポートには、Forrester Researchのデータがある。2009年と比べて2014年には、モバイルは約3倍、ソーシャルメディアは約4倍、Emailマーケティングは約1.6倍の予算規模へ延びると予想されている。今まで手をつけてこなかったこれら領域はこれからもっと、もっとリソースと、能力・知識が必要とされるのだから。

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