2009/08/11

Cathay Pacific Face to Face

SimpliFlyingが、Cathay Pacificの新しいマイクロサイトを紹介している。

FA(Flight Attendant)はもちろん、カーゴ担当、カスタマーサービス、予約&発券、営業支援、広報、パイロットなど何らかの形で乗客と交わるほとんど全ての部署から選抜されたCathayの人たちが、自分を語っている。生い立ちから始まり、仕事内容、乗客とのつながりなどを自分の言葉で語っている。どの部署の人も誇りを持って仕事をしているのが伝わってくる。

なお、サイト公開後、Cathay Pacificの他の社員が今度は、是非、私が、俺がと希望が殺到しているようだ。

(クリックでサイトへ)
(下は画像のみ)
Source:SimpliFlying / Cathay Pacific reveals the faces behind the brand, in an interactive way

それぞれの部署の担当者が自分の業務を正確に、迅速にこなしてくれるおかげで乗客は、オンラインや電話予約ができ、チェックインカウンターで座席をアサイ ンされ、手荷物を預け、機内では快適に時間を過ごし、空港で受け取った手荷物を片手にビジネスや観光に出かけることができる。

オーバーブッキング、座席の取り違えや、手荷物の紛失・棄損、横柄な苦情処理さえなければ、航空会社の場合、彼らの対応、業務遂行がブランド価値、評価になる。

しかし、普通なら裏方の仕事や、その仕事を遂行している担当者の顔も声も、どんな人なのかもわからない。それらの人々が裏で支え、価値として表出している企業・ブランドに顔はない。

そこで「顔の見えない」ブランドから、ブランドを構成する社員の「顔が見える」コミュニケーションを開始し、「ブランドの人となり」を知ってもらい、「友人・知人」といったレベルに関係が向上すれば、ブランド価値や評価は突出したものになる。

参考の最後を除き、Virgin Americaといい、Air New Zealandといい、Cathay Pacificといい、マーケティング・バズ系Blogで取り上げられるほど従来の航空会社が実施するマーケティングとは一味も、二味も違うマーケティング、プロモーション、カスタマーサービスを行っている。

参考:Virgin America and Twitter (Online Ad 2009/07/24)
参考:Base Essentials of Safety (Online Ad 2009/07/21)
参考:Airline Branding -2 (Online Ad 2009/05/21)
参考:Airline Branding -1 (Online Ad 2009/02/12)
参考:Twitter for Customer Service and Branding (Online Ad 2009/3/30)

今まで行われたマーケティングはほとんど全ての航空会社が実施しており、まったくと言っていいほど差はない。やれマイレージやポイント制、VIP対応、早割、座席の幅やリクライニング度等、どれをとっても五十歩百歩だ。そして、今までのメディアを使っている限り、できることも五十歩百歩だ。TVや新聞・雑誌、パンフで早割、特割、新型機、新型座席をいくらアピールしても伝えられることは同じで差はない。

今の経済状況でマスメディア露出が十分にできない航空会社が何をすべきなのだろうか?予算も人もない中で何を乗客、顧客に伝えられるのだろうか?

答えはVirgin Americaにもあるし、Air New Zealandにも、Cathay Pacificにもある。そして、P&G、HPやLenovo、White HouseやVisit Londonにもある。

参考:P&G Digital Hack Night (Online Ad 2009/03/25)
参考:HP Social Media Marketing (Online Ad 2008/12/01)
参考:Olympic Marketing : Lenovo (Online Ad 2008/07/10)
参考:White House Web 2.0 -2 (Online Ad 2009/07/02)
参考:Proposal to Visit Japan -1 (Online Ad 2009/07/28)

訂正

上の参考に続けて、
なお、今のところ、CathayがやっていることはWeb 1.0でしかない。マイクロサイトを構築し、そこに社員の顔と声、人となりを届けただけだ。SimpliFlyingが言うように乗客側からのフィードを 受ける仕組みや、Twitterなどソーシャルメディアスペースへの参加などが不足している。しかし、Web 1.o的にコンテンツを露出しただけにもかかわらず、今までどこの航空会社も考え及ばなかったコンテンツを露出した点に価値がある。

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