2009/07/03

Client-Agency Economic Outlook

昨年のXmasイブに「Client's Perspective on Agencies」で一度、紹介したことがあるReardon Smith Whittaker (RSW) からまた新しい資料、「The 2009 1/2 Client-Agency Economic Outlook Report」が出ている。

参考:Client's Perspective on Agencies (Online Ad 2008/12/24)

eMarketerも6月25日付ニュースレターで、同じ調査結果から下の2点を取り上げていた。
  1. マーケター(メーカー側)とマーケティング(広告)代理店から見た経済状況がビジネスに及ぼす影響
  2. マーケターのメディア戦略
Source:eMarketer / What Ad Agency Clients Think

さて、eMarketerが紹介していない部分に「2009年上期に人員削減があったか」というものがある。クライアント側では「大量解雇」が10%、代理店側は8%だ。「ある程度の人員削減」はクライアント側も代理店側も43%となっている。相当程度の痛みを伴った対応がクライアント、代理店の双方でなされている。
RSWは人員削減に関して、「メーカー側人員削減により代理店への業務委託が増える。また固定費削減により予算が広告およびマーケティングに復活する」と楽観的な解説をしている。本当かしら?

そしてマーケティング予算に関してのデータがある。クライアント側マーケターの80%は予算が削減されたと回答している。11%以上の予算削減は40%にも及んでいる。代理店側も同様だが、21%以上の予算削減を食らったというケースが29%にもなっている。

21%以上も予算を削減されたのではどんな代理店にとっても大きな打撃だ。
Source:Reardon Smith Whittaker / The 2009 1/2 Client-Agency Economic Outlook Report (要ユーザ登録)

クライアント側で10%以上予算が削減されたケースが40%ということは、今までの業務形態が変わってくる。マーケティング戦略が変わってくるはずだ。

既存メディアに費やされていた業務時間・労力・リソースが空いてくる。また、「Doing More With Less」という方針はどこにも適用されているだろうから、コストのかからない露出を様々なフェーズで検討しているはずだ。

となると、早ければ今年下期、あるいは来年上期に実行を検討しているマーケティングは、既存レガシーメディアの再活用だろうか?そんなことはないはずだ。今年上期、まったくと言っていいほど抜けてしまったレガシーメディアでの露出による売上への影響が明白でない限り、レガシーメディアの効力・効果に関する話題が再沸騰する。売上が半減したところで、それは悪化、低迷した市場のせいであって広告のせいではない。

現在、検討され、近い将来実施されるだろう施策が、レガシーメディアの再活用でないとすると、それは何だろう?

下のグラフは、「マーケティング戦術ごとの予算変動」を示している。今後の予算が「Significantly lower」、および「Somewhat lower」として、大幅カットされたり、相応にカットされる部分をネガティブにとらえて「マイナス」とした。「Significantly higher」「Somewhat higher」「No change」は、そのまま「プラス」として積み重ねグラフを描いてみたものだ。
「Significantly higher(大幅増)」「Somewhat higher(ある程度増加)」を合わせて最も高いのは「Social Media」、次に「Email」「SEO」の順だ。

「No change(現状維持)」が最も高いのは「モバイル」。続いて「バナー広告」、「SEO」「TV」「RAdio」だ。

「Significantly lower(大幅減)」、および「Somewhat lower(ある程度減少)」を合わせて最もひどいのは「Print」、続いて「Radio」「TV」となっている。

これにマーケティング・広告による効果の可視性を合わせてみると、答えは明らかだ。

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