2009/06/01

Susan Boyle - Final

2009年のBritain's Got Talentの決勝戦が終わった。結果はDiversityが優勝、賞金10万ポンドを獲得し、エリザベス女王の前でパフォーマンスを披露することになる。

予選、準決勝でも一糸も乱れぬダンスパフォーマンスを披露していた彼らが最後の栄冠を手にするのは当然だっだのかもしれない。

Susanは予選でのエントリ曲、「I Dreamed A Dream」を再び歌い、会場を沸かせたが残念ながら予選ほどの圧倒的な力はなかった。緊張が窺える硬い表情もあり、予選時に彼女の体全体からほとばしり出ていたパワーが消え、声自体の幅や深み、そして伸びに欠けていた。準決勝後のトラブルが後を引いていた。

出生時の低酸素症による脳への軽い障害を持ち、幼いころからイジメにあい、両親とともに過ごしてきた彼女の人生を一変させた2009年のGritain's Got Talentが終わった。Susanの勇気と歌声に大きな拍手を送りたい。

Source:DailyRecord / Exclusive : Susan Boyle's first ever song ...

さて、Facebookにある彼女のページには7件の書き込みがある。それに対して合計で70,740件のコメント、313,102回「Like」がクリックされている。(5月31日朝時点)

この70,740件のコメントは、そのすべてが彼女の歌声、個性を褒め称えるものではない。四文字熟語や、ねたみ、容姿のあげつらい、そして彼女の人気にあやかって自分のWebやBlogへトラフィックを誘引しようとするアフィリエート的な輩もいた。

Source:Facebook / Susan Boyle

ま、言い換えれば人間社会の立場、動きすべてが凝縮されているといっても過言ではない。

FacebookやBlogなど、オープンで対等な会話を醸成するスペースにいる限り、また、彼女の歌声を世界中のインターネットユーザに広く知ってもらうために参加したスペースにいる限り(ただし、これは彼女の本意ではなく、talent.itv.comの狙いだが)、清濁併せ飲む必要がある。その意味でネガティブコメントも受け止めなければならない。

ところで、このネガティブコメントはどれくらいの比率になるかというと、Keller Fay Groupから出ているWOMのデータでは全体の10%だ。しかし、その6倍以上が「非常に肯定的」なWOMになっている。
また、肯定的なWOMは否定的なWOMよりも他の人にリレーされている。
Source:Keller Fay Group LLC / Single-Source WOM Measurement (pdf)
参考:36% (Brand Advocate) Talk Brands Online (Online Ad 2006/12/19)

世界中がインターネットというネットワークであり、かつ最大のメディアによってつながれている現在、企業・ブランドの意思にかかわらず、ブランドコンテンツは消費され、共有、拡散されている。それもマスメディア経由のコンテンツではなく、ソーシャルメディアスペースでユーザが創造した、あるいは共有されたコンテンツからブランドが発信されている。

この時代にソーシャルメディアスペースに参加する勇気を持たず、ネガティブコメントに怖気をふるい、レガシーメディアだけの情報・コンテンツ発信を続け、コンテンツ流通をモニターもしていない企業・ブランドに明日はない。

たった10%のネガティブコメントに対処できないために、62%に達するブランドアドボケートを見殺しにするのも、ネガティブコメントよりも他の人々へリレーされる肯定的なWOMを醸成しないのも本末転倒だ。

もうひとつある。

Facebookの彼女のページに何度も何度も「ゴタク」や「ヨタ」を飛ばす輩に対して、別の多くのユーザが「諭し」、「無視し」、「封殺」しようとしていた。それはSusan Boyleの価値を最もよく理解し、その価値をまだ知らぬ人々に知らせたい、届けたいと希求するアドボケーターが、ネガティブコメントに対してSusanに代わって奮戦していたということだ。彼らはSusanのサポーターでもある。

アドボケーター、(WOM)リレーされるコンテンツを提供すること、そしてサポーターを支援することこそがマーケティングだ。そして、このマーケティングはSusanの歌声が世界中の英語圏、非英語圏に届く時代に特定の国だけで行っていても意味がない。

今回を含め6回にわたり、Susan Boyleの歌声、彼女の歌声を広めたソーシャルメディア、ブランドバス、ネガティブコメントなどに関して書いてきた。彼女の存在、歌声、勇気、影響はとてつもなく大きい。それは一人の女性としてだけではなく、世界中を巻き込んだ嵐としても...。

参考:Amazing Voice : Susan Boyle (Online Ad 2009/04/20)
参考:Susan Boyle -2 (Online Ad 2009/04/21)
参考:Susan Boyle -3 (Online Ad 2009/04/27)
参考:Susan Boyle -4 (Online Ad 2009/05/02)
参考:Susan Boyle -5 (Online Ad 2009/05/31)

最後にやはりSusanの最高の熱唱を聞きたい。

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