2008/12/10

Marks & Spencer - Responsible Packaging

以前、「Green Message or Greenwashing」で紹介したPatagoniaがある。ウェアやシューズの原材料調達国、製造国、物流などでの二酸化炭素排出量合計やエネルギー消費量合計などを示して「グリーン」を強烈にアピールするブランドだ。(下をクリックでサイトへ)
参考:Green Message or Greenwashing (Online Ad 2008/04/02)

こういったケースとは違い、物流に大量のエネルギーを消費し、多くの国の原材料に大きく依存するマルチナショナル・ブランドもおり、特にパッケージされた食品・惣菜、日用品、化粧品などはグリーンアプローチ方法が異なる。

英国の小売大手、Marks & Spencerは下のPlan Aのトップページにあるように、5つの柱、すなわち、
  1. 気候変動対応
  2. 廃棄物削減
  3. 持続可能な原材料資源
  4. フェアなパートナー
  5. 健康増進
を掲げ、2012年までに達成すべき合計100個のコミットメントを公表し、積極的にCSR、持続可能性 (Sustainability)、グリーンを推し進めている。(下をクリックでサイトへ)
例えば、気候変動対応の柱には、1)Carbon Nerutral、2)Energy Efficiency (Stores)、Energy Efficiency (Warehouses and offices)、4)Business Travelなどがリストアップされている。

さて、その成果だが5本柱のうちの「廃棄物削減」を見ると、2007年4月から2008年5月までに以下の3商品だけで1,402㌧(「象255頭分」と原文にある)のパッケージ資材を減らしている。
  • 伝統的なアップルクランブル包装を完全箱型からスリーブ型に変更してパッケージ資材の70%を削減。

  • インゲン(?)のトレーをなくして92%削減。

  • 生肉パックをスキンパックに変更して69%削減。

これ以外にもニンジン、ピッザ、ラザニア、チキン、ポテトなどで削減した例があげられている。

M&Sは、これら個別商品のパッケージだけではなく、サプライチェーンにおいてダンボール箱から繰り返し使用できるトレーに変更することで、年間27,000㌧にも及ぶ使用済みダンボール箱を減らしている。

Source:Marks & Spencer / Plan A
Source:MarketingProfs (有料コンテンツ)

通常パターンであれば、わが社はこんなに二酸化炭素排出量、廃棄物、エネルギー消費を減らしましたとCSRセクションのPDFファイルに明記しているケースが多い。しかし、期限を区切り、何をどうやって、どれくらい減らすといった話はあまり目にしないし、聞かない。単にこの製品・商品はこんなにエコです、グリーンですというだけで、それらを製造・販売するために消費したエネルギー、排出した二酸化炭素などを明らかにすることはない。

しかし、Patagoniaのようにサプライチェーンでの排出・消費量を示しながら削減努力を明示する企業・ブランドもいれば、M&Sのようにコミットメントを公表して削減を実行する企業・ブランドもいる。そしてこういった取り組みがグローバルスタンダードになる日はそう遠くはない。

また、Havasの調査にあったように
  • 52.7% 環境に影響を与える製品・サービスは購入しない
  • 40.5% エコフレンドリーな製品・サービスを購入する
という世界の人たちの意識は確実に大きくなってくる。

参考:Havas Global Climate Change Survey (Online Ad 2008/05/19)

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