2008/10/03

Cisco Human Network

Ciscoの「The Human Network」というキャンペーンの2段目、2年目のキャンペーンが開始されたとBrandweekが伝えている。

このキャンペーンは、インターネットのネットワークが人々やビジネスに与えるインパクトを示すことで、スイッチやルーターといったネットワーク機器のサプライヤーというCiscoのイメージを、コミュニケーションと情報を提供するプロバイダーという位置づけへ変更することが目的だ。

CiscoはこのキャンペーンにTVCF、オンライン、プロダクトプレースメントを活用し、印刷媒体は除外している。最初のTVCF、「save money, travel less effct」に続き、「the new collaboration effect」、「the break down barriers effect」、「the power when you need it effect」、「the launch products faster effect」、「save the planet effect」、「the knowledge is power effect」というシリーズが予定されている。

下は「save money, travel less effct」のTVCF。


Ciscoは、昨年7,900万㌦のメディア予算を投下しているが、IBMの1億2,300万㌦、HPの2億4,800万㌦と比べると見劣りする。しかし、IBMが2位、HPが12位の中、Interbrandのランクは18位から17位へアップした。ブランド価値が上がってきているというところだろうか。

Nortelも今年の6月から「Business Made Simple」キャンペーンの予算を三倍の600万㌦に引き上げたそうだ。

Source:Brandweek / Cisco Evolves the 'Human Network'
Source:Interbrand / Best Global Brands 2008 Ranking

Ciscoは何も広告キャンペーンだけにマーケティング予算を使っているわけではない。TV、オンライン露出からのアクセスを誘引するHuman Networkというスペースを構築している。(下をクリックでサイトへ)
:「参考」では「Ciscoはすでに独自にSNSを立ち上げている」と書いたが、Human Networkのコンテンツが変更されたようだ。以前は「Share Your Story」や、Bloggerのエントリなどを紹介するセクションがあったが、現在は存在しない。
参考:Strategy of NYT -2 (Online Ad 2008/09/25)

スポーツ、仕事、コミュニティなどでのICT、通信機器、ヒューマンネットワークを活用した事例紹介や、TV番組内の製品プレースメントを一箇所にまとめたHuman Networkがなければコンテンツの消費やブランド理解は深まらない。ブランドとの親近感も醸成されない。

単純にトラフィックをWebサイトへ誘引し、コンバージョンやROIを計算する直販・ダイレクトマーケティング的な戦術では、ブランドは確立しない。

すべてとは云わないが、ネットワーク機器もコモディティ化が進んでいる現在、ブランド認知向上とトラフィック誘引および販促プロモーションに加え、ブランドイメージ・コンセプトを変換しようとするCiscoのブランド戦略が着実に成果をあげているようだ。

そのチャネルのひとつとしてNYTを使っているようだ。上の参考で書いたNYTのTimes Peopleだが、ユーザプロファイルの設定画面にCiscoはバナーを貼り、
Human Networkキャンペーンエリアへ誘引している。なお、一般的なアプローチであれば、ブランド企業側からの視線をベースにやれインフラだとか、複合システム構築だとか、やれ世界最速、世界最大といったタグラインがついたコンテンツを垂れ流すところだが、Ciscoはそれを避けている。消費者や顧客の生活、ビジネスを支援して何を可能にしているのかという点にフォーカスしている。

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