2008/03/07

Wal-Mart Blog Killed HD DVD

去る2月15日にWal-Martの映画部門のバイヤー、Susan Chronisterが「Check Out」というWal-MartのBlogに、「Wal-Mart Chooses a Hi Def Platform」というエントリを書き込んでいる。
Wal-Mart自体も同日に「Wal-Mart Moving Exclusively Toward Blu-ray Format Movies and Players」というプレス・リリースを出している。

このWal-MartがBlu-rayに転換するという話から日本では19日に東芝の発表があったわけだ。

Source:SearchView / Wal-Mart Finally Gets Blogs
Source:NYTimes.com /Wal-Mart Tastemakers Write Unfiltered Blog
Source:Wal-Mart / Wal-Mart Moving Exclusively Toward Blu-ray Format Movies and Players
Source:Check Out / Wal-Mart Chooses a Hi Def Platform

ここで問題なのはSusanの書込みが15日の午前4時34分だということだ。この時間がどのタイムゾーンでのものなのか、またWal-Martの正式リリースが何時にアップされていたのかは分からない。しかし、フライング気味の書き込みを指摘しているコメントが彼女のBlogにある。

Susan,

First, please understand that this is not directed at you. I hope you still have a job since the blog was published before Mr. Severson's "official" statement.

もしフライングだったとしても、大勢が決まっていたのだから彼女の書込みがHD DVDの息の根を止めたわけではない。しかし、NYTimes.comも次のように書いている。

It was a blogger on the Check Out, after all, who first disclosed last month that Wal-Mart would stock only high-definition DVDs and players using the Blu-ray format, rather than the rival HD DVD system. The decision was considered the death knell for HD DVD.

Wal-Martだけではなく、多くの企業でBlogを使った情報発信、共有、対話を行い、フィードバックを受け顧客とのコミュニケーションを高めようとしている。セレブを引っ張り出してきたり、CEO自身が書き続けているBlogもあるし、社員が様々なトピックを書き連ねたりしているものもある。
しかし、経営者を含め社員・従業員が書く企業の傘の下にあるBlogでは透明性が求められるとともに、公平な事実に基づいた書き込みが欠かせない。

とくにWal-Martは悪評高き前例があるだけに、ライターの正体を明らかにし、会社の押し付けではなく、内容をフィルターすることなく、ライター(Wal-Martのバイヤーなど)の生の声を消費者に届けるために「Check Out」を開始し、それなりの評価をあげている。
しかし、もしSusanの書き込みがフライングであるならば、また「Check Out」に書き込まれている限り、Wal-Martは上のコメントで心配しているようなことも行わなければならないのでは?

参考:Wal-Mart Enlists Bloggers in P. R. Campaign (Online Ad 2006/10/19)

さて、Awareness Networkの「Six Myths and Realities of Blogging and Social Media in the Enterprise」が伝えるEconomist Intelligenceの調査によれば、調査対象社の79%はソーシャルメディアやWeb 2.0を売上増加とコスト削減のひとつの方法だと考え、71%はすでにマーケティングや製品開発にオンラインコミュニティを利用している、あるいは今後2年以内にそうする予定だという。

しかし、まだ大半の企業はBlogやWikiといったソーシャルメディアツールを調査している初期段階であり、その本格採用に躊躇しており、何がソーシャルメディア利用を成功に導くカギなのかを探っている段階だというのが事実のようだ。そこでAwareness Networkは、企業がBlog、Wiki、その他のソーシャルメディアを企業として利用する際の神話とその現状をまとめている。

神話
  1. ガイドラインはコーポレートBlogのリスクを減らす
  2. コーポレートBlogを成功させるには、Blogする最適な人材を活用すべき
  3. 企業BlogはPR、そしてマーケティングツールとして効果がある
  4. セレブBlogがカギだ
  5. 全社員にBlogをやらせれば企業全体としてうまく行く
  6. Blogは従業員のコミュニケーションや顧客とのやり取りを活気付ける唯一のツールだ
Awareness Networkはこの神話に対する現実として6つを説明しているが、企業それぞれで持つ行動指針と照らし合わせてみることはいかがだろう。

Source:Awareness Network / Six Myths and Realities of Blogging and Social Media in the Enterprise
Source:Awareness Network (pdf)

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