2007/07/26

Samsung Leaves Motorola Behind on Mobile Phone

7月23日、NHKスペシャルで「デザインウォーズ ケータイ開発の舞台裏」という特集があった。

特集の中心はLG電子とソニーエリクソン、NECだったが、世界のマーケットシェアを確認してみる。いつものようにXbit Laboratoriesで確認すると、ちょうど17日にQ2時点での比較があった。

それによると、長年、Nokiaが市場をリードし、MotorolaとSamsungが2位、3位として続いていた。が、直近の数四半期では米市場の需要が弱含みのため、2007年Q2でSamsungがMotorolaを台数で追い越したようだ。まだ、Nokia、LG、その他の業績が発表されていないが、Motorola、Samasung、Sony Ericssonの3社を見るとMotorolaの販売台数が急降下している、それに比べるとSamsung、Sony Ericssonは堅調に販売台数を伸ばしてSamsungがMotorolaを追い越している。

すでに販売額では世界2位の座についていたSamsungだが、Motorolaの落ち込みを受けての台数増ではなく、Sony Ericsson同様に独自の販売戦略の結果だろう。Motorolaの落ち込みを最大に享受するのはNokiaだとの見方がされている。
それにしても日本メーカーはその他に括られているだけというのは寂しい。
以下は、全社のデータが出揃っていないため、2007年Q1までの販売台数の市場シェアだ。各社の公表数字によると、SamsungはQ2に3,740万台を出荷、Motorolaは3,500~3,600万台、Sony Ericssonは2,490万台を出荷している。Motorolaの落ち込み分の大半をNokiaが受け止めるとするとNokiha36%以上、Samsungが12.8~9%、Sony Ericssonが8.6%程度だろうか。

Samsungは強気の予想を立てており、今年中に1.5億台、マーケットシェアも伸ばすと公表しているが、2億台としているMotorolaの販売予測に赤信号がともっている。Gartnerによると、Motorolaは昨年Q2、Q3と低調で、今年Q2の販売台数は2005年Q2と同レベルに落ち込んでいるらしい。
さて、ちょうど、約1年前Xbitが掲載していたGartnerの同様データがあったので再掲する。これは昨年8月28日に掲出されたものだ。(上図は販売台数のシェアで、下図は販売額のシェア)
今年の販売台数(上)、昨年の販売額(下)をどう見てもNokiaの販売台数、販売額シェアが上がっている。一人勝ちに近いシェアを獲得しているのが分かる。
Source:Xbit Laboratories / Samsung Leaves Motorola Behind on the Cell Phone Market in Q2. Samsung May Become the World’s No. 2 Maker of Handsets

NHKの特集ではチョコレート人気を日本へもと意気込むデザイン優先経営でのLG電子、技術からデザイン重視へシフトするNEC、LGを抜いて世界第4位に躍進したSony Ericssonの開発話が取り上げられていた。しかし、今のところ、どう逆立ちしてもLGもSony Ericssonも、Nokia、Motorolaはおろか、Samsungに追いつくことさえも難しそうに見える。またNECは前述のようにシェアランクに顔を出してもいない。

話はちょっと変わるがスペインのTelfonicaの子会社、O2が英国でのi-modeサービスを終了するという話をGuardian Unlimiedが今月中頃に書いていた。ドイツでもi-modeリリースは棚上げとなっているし、SamsungやLG、そして米国などで元気の良いT-Mobileなどと比べ日本の通信会社や携帯ベンダーの内弁慶さが際立っている。

少子高齢化、人口減少が始まっている日本国内で同規模ビジネスが今後も継続できるだろうか?
海外進出というよりは、グローバル化。日本を核とするグローバル化というよりは、PricewaterhouseCoopersが10回目のグローバルCEOサーベイで書いているように、「グローバリゼーションは金融資本の移転においてまだまだ重要なドライバーではあるが、世界市場における経済価値創造を行う要素のひとつでしかないと認識されている。その代わり、リターンを生成し、リスクを緩和するため、知識、人々、文化やステークホルダーが協力・共同する関わり方が、グローバリゼーションを深化させるために重要」なわけだ。この関わり方を知るには、NokiaのWebサイトを見るだけでいい。日本企業との違いが明らかだ。

ところで、昨年8月、Nokiaがハリーポッターシリーズに登場するOldmanを担ぎ出してN93のキャンペーンを実施したときに、よもや今年に入り、AppleからiPhoneといった新顔が登場するとは夢にも考えていなかっただろう。ただし今年10億台以上が販売されると予想される携帯電話市場において、iPhoneの販売目標は今年400万台、2008年でも1,000万台レベルでしかない。Nokia単独でも3.5億から4億台近く販売するだろうから、当分、Nokiaのトップシェアは揺るぎそうにもない。

Guardianが伝えるところでは、iPhone発売後の最初の週末に携帯をアクティベートした台数はアナリストが予想した20万~50万からは程遠い146,000台に留まり、Appleの株価は4%下落している。これはeBay経由で購入したユーザのアクティベーションが遅れているとか、アクティベーションに問題が発生していることもあるだろうが、第二世代機としての接続スピードが最大の問題のようだ。ということでXmas商戦を控えた11月には第三世代機が発売されるだろうが、Appleは第二世代機ユーザをどこまで考えているのだろう?ま、iPodに黒電話がついてると考えてくれればいいのだが...?

Source:Guardian Unlimited /O2 drops i-mode mobile internet service in Britain
Souce:Pricewaterhouse Coopers / The 10th Annual Global CEO Survey (pdf:ダウンロードには登録必要)
参考:Nokia calls up Oldman for ad campaign (Online Ad)
Source:Guardian Unlimited /Apple shares fall on iPhone news

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