2007/02/22

AAF Study: New Media Gets More Marketing Money

1,000社近くの広告主、広告代理店、媒体、その他のセクターなどを対象に行ったAAF (American Advertising Federation) のメディア投資サーベイ2007が公表されている。

この調査の対象者は、38.1%が広告代理店、26.9%が媒体、13.6%が広告主となっている。そして役職を見ると19.1%がDirector、18%がOwner、17.6%がManagerとなっている。そしてこの調査対象者の30.9%はBDM (Business Decision Maker) であり、15.8%は対象者自身がBDを決定し、BD推薦にかかわる対象者は合計41.4%となっている。

様々なデータがあるが、その中からいくつか拾ってみる。

この調査結果のハイライトのトップにも出されているが、「新しい手法や媒体実験にどれぐらいの予算を確保しているか」という問いに、20%までの予算を割り当てる対象者が73.2%、そして40%までの予算を割くと答えたのが12.4%になっている。平均すると予算の15%がイノベーション用に投下されるようだ。(クリックで拡大)

次に「現在のメディア状況と今年、2007年の期待を元にした場合、メディアに対してどのようなアプローチを行うか」という問いに対して、
  • 78%が既成メディアを活用する新しい手法に前向き
  • 75.5%が既成と新興メディアのバランスをとった的確なメディアミックス
  • 57.7%がブランド力をアップする新興メディアを調査
  • 43.3%が「フレッシュで革新的」というブランドイメージを伝える革新的なメディアと提携
などと回答している。

調査内容には、2006年に広まった新しい動きや革新を、「予想していたのか、驚きをもって見たのか」という面白い問いがある。擬似CG社会の「Second Lifeへの殺到」が77%「YouTubeの巨大化」が61%、「Mash-ups」が一般化したことに対して51%が驚いたとしている。

逆に、「インターネットでのTV番組視聴」が86%、「テキストメッセージの大量採用」が80%、「コミュニケーション計画にソーシャルメディア導入」が77%、そして「CGC (Consumer Generated Content) の爆発」に対して65%がそうなるだろうと見ていたわけだ。

また、2006年のメディア変動を考えた場合、2007年のメディア状況はどうなるのかという問いに
  • 58% 2006年よりもメディア変動が加速
  • 39% 2006年とほほ同じペース
  • 3%  2006年よりもペースが落ちる
と答えている。

そして、最後に雑誌カテゴリの中でどのカテゴリに革新的な動きが必要かという問いと、雑誌を除くメディアカテゴリの中でどのカテゴリに革新的な動きが必要かという問いがある。雑誌カテゴリの中では46%が「ビジネス誌」、雑誌を除くメディアカテゴリの中では51%が「新聞」に革新的な動きが必要だとしている。

Source:MarketingVox / AAF Study: New Media Gets More Marketing Money
Source:AAF / Media Investment Survey 2007
Source:AAF / Full Summary (ppt)

こうしてみると米国のブランド企業は、いつも新しい動きに対処したり、新興メディアを利用するために15%程度の予算を確保し、既成メディアを使う広告手法だけではなく新しい手法、新しいメディア、ブランド力を高める新メディアとの提携を探ろうとしている。「Second Life」や「YouTube」には虚をつかれたかも知れないが、大きなうねりは的確に把握しているし、メディアの現状が変革期にあることを理解しているからこそ、半数以上が昨年よりもスピードアップするメディア変動を予想している。

米国のブランド企業は新興メディアを理解し、スピードアップする新しい動きに合わせた予算消化を行うことになる。これが一部の企業であろうと、その動きは他社に影響し、新しい露出が複合されて蓄積されてゆく。日本のグローバル企業本社からの露出がこの現状とスピードを理解したものでなければ、露出ギャップはますます拡大する一方だ。

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