2007/01/15

GE Ecomagination

GEのEcomaginationキャンペーンが再スタートするようだ。2005年後半からTV、プリント、オンライン広告を使い、CEOのJeff Immeltが直々にEcomaginationを語っていた。今回も彼が最初に登場したが、前回と同じFlashのようでEcomaginationのコンセプト説明をやっている。

前回と違うのは、Ecomagination Visionという総論、そして、産業、エネルギー、インフラ、鉄道、航空、家庭向けと各論が充実している。18ヶ月前の前回に比べ、Ecomaginationを名乗る製品が増えてきた。また、特にEcomagination Visionという総論にあげられている各項目の中でもGlobal Changeが注目される。

Global Changeの最初に来るのは、人口爆発だ。2006年で65億と推測されているが、それが2050年には90億人へ増加する。アジアは41%増の52億、アフリカは120%増の18億、ラテンアメリカも55%増の8億超と予想されている。

次に都市化が問題となる。増えた人口は地方で吸収できず大都市へ向かう。これが消費される資源と環境に深刻な影響を与える。

これだけ人間が増えるので消費も拡大する。2010年の登録自動車台数は9.4億台、石油は380億バーレル、天然ガスは210兆立方フィート、ソフトドリンクは7.65億バーレル、生活廃棄物は8.6億トンへ増える。いずれも1990年レベルの50%以上の増加、ソフトドリンクと生活廃棄物は2倍、天然ガスは3倍だ。

気温上昇は、人口増加と消費拡大に伴って温室効果ガスが蓄積し、オゾン層破壊につながり、必然的に50年、100年単位で上昇する。また、その波及影響は計り知れない。

最後にがある。現在でも毎日の生活に必要な安全な水が不足している15億人がいる。20年後には生活用水の三分の一が不足すると考えられている。

このGlobal Changeを前提に、GEがコミットするものとして以下の4つを挙げている。
  1. R&D投資を倍加
  2. Ecomagination製品を毎年投入
  3. 温室効果ガスを削減しエネルギー効率を向上
  4. 情報開示
このコミットメントを実行するために各論に掲げられる各製品を紹介している。

Source:ClickZ / New Web Films Tout GE's Eco-Friendly Inventions
Source:MarketingVox / GE Ecomagination Campaign Features Web Films
参考:ge.ecomagination.com
注:ge.ecomagination.comへ行くと言語選択をするが、Englishを選択しても中国語ページが表示される。英語で見たい方は次のURLへhttp://ge.ecomagination.com/@v=06012006_1843@/route.html?〈=en&
このことをGEにコメントしようとしたがHTTPSページでコメントを発信できない。また、Ecomaginationの"For Journalists"ページ、右側にあるMore Information / Newsに関する"Go to Web Site"リンクは切れている。折角のWebサイトが台無しだ。

世界最大といってもいい巨大なB2B/B2C複合企業であるGEが、Ecomaginationというブランドであり、CSRであり、個別製品・サービスマーケティングを積極的に実施することで世界中のステークホルダーへ与える影響は限りなく大きい。

comCoreが発表したように米国トップ25サイトのうち14サイトは米国よりも海外からのアクセスが60~70%以上だという現実をご存知だろうか。(参考1)
前回同様、TV、印刷媒体に加え、米国トップメディアサイトへ出稿されるオンライン広告は米国のみならず海外からアクセスする英語・非英語圏ユーザに露出される。米国・英語トップサイトへアクセスする非英語圏ユーザはアーリーアダプターだ。彼らは入手した最新情報をローカライズして自国内へ発信、共有する。米国トップサイトでのオンライン露出が、米国だけではなく、他の英語圏、非英語圏へ波及していく。

GEは米国だけではなく、欧州、豪、ニュージーランド、日本、中国、インドなどでもキャンペーン予定だからEcomaginationサイトには、中国語、英語、ドイツ語、フランス語、そして日本語インタフェースを用意している。サイトにアクセスしてくれさえすれば、コンテンツを消費し、自国内へ配信、共有してくれるわけだ。

また、キャンペーンに加えた様々な企画も準備している。まず、ビジネスと環境に関するReutersのオンライン、モバイル記事に「Eco-Business 」という見出しを出すスポンサーシップも計画している。また昨年も行っていたようにDow Jonesとも提携し、「Environmental Business Plan Challenge」というビジネスプランを募集し、事業化資金として5万㌦を与える賞を企画している。

参考1:Global Online Marketing and Branding Available

地球を取り巻く環境、状況は悪化の一途だ。それに対してグローバル企業としてGEの矜持を見せつけながら、しっかりプロフィットビジネスとして計画、実行しようとしている。GEだけではなく、ExxonMobil、Royal Dutch Shellなども気候変動などを切り口として企業広告を実施している。(参考2)

参考2:Global Online Branding

日本企業は省エネ分野では世界の最先端を走っている。環境に配慮した製品開発はどこの企業もやっている。わざわざ世界規模でのキャンペーンは不要だと考える企業が多いだろう。しかし、その取り組みを世界中のステークホルダーは知っているだろうか?プロフィットビジネスとしてマーケティングしているだろうか?

国別に見た本社WebのGlobal・英語セクションへのアクセス数、製品・サービスページへのアクセス数、Annual Report/CSRレポートのダウンロード数、各国サイトへのダウンリンク数などデータをお持ちですか?いや、海外から本社グローバルWebへのトラフィック解析をそもそもやっておられますか?本社グローバルWebに対して海外メディアなどやBlogサイトから、どこにどれぐらいリンクされていますか?無味乾燥なPDF提供ではなく、E-PRをやっていますか?(参考3)バイラル化のための仕組みをランディングページに準備していますか?(参考4)と、訊ねたいことは山ほどある。

参考3:E-Press Release
参考4:B2C Online Survey

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