2006/10/27

Crowdsourcing

Crowdsourcingとは聴きなれない言葉だが、今年のはじめにWiredが使った言葉だ。企業が困難に直面し、自身で全ての解を得られないとき、世界中の何百万というアマチュアの集合知を生かしたソリューションを得るプロセスをいう。例えば、P&Gの研究員がInnoCentive.comに研究上の問題をアップし、ベストなソリューションを出したアマチュア科学者などにインセンティブや報酬を払うことで解決することだ。

クリエイティブな広告やPR (Public Relations) の世界でも、そういったコラボレーションを体験し始めている。Crowdsourcingは、GoogleにとってYouTubeがどれほど魅力的であったという理由のひとつだし、人気を集める「American Idle」もCrowdsourcingそのものだ。

これはまだ始まったばかりだが、「うまい方法」ではなく、ビジネスの根幹に浸透する「必須の方法」として業界がコミットする時だ。「君のビデオをここにアップすれば俺達の神聖なホールに入場させてやるよ」といったレベル以上に、Crowdsourcingをより戦略的で統合されたプロセスにまで引き上げる必要がある。大衆に教えを請え。

Source:Ad Age

と、Steve Rubel (EdelmanのSVP) が書いている。

Outsourcingの大衆化とでも言ったらいいのだろうか?Crowdsourcingをマーケティングに置き換えると、トップダウンではなく、ボトムアップ、あるいはグラスルーツのマーケティングということになる。コンテンツ、あるいは製品・サービスを提供し、一般ユーザの自主参加とその英知によって最適な集合知、例えばマーケティング戦略を構築するということになる。

しかし、現実には、一般ユーザの遊び心がプロの領域をつきぬけ、途方もない結果をもたらし、プロはそのトレンドとスピードに追いつくのが精一杯というのが現状だ。Fritz GrobeとStephen Voltzが行ったDiet CokeとMentosの噴出実験は、まずMentosが飛びつき、ようやくそのバイラルビデオ効果を無視できずDiet Cokeも追随するようだ。「Experiment #214」と題して、10月30日に過去最大の実験ビデオが流される予定だ
バイラルビデオネットワークのRevverにある「Experiment #6」は54万回、「Experiment #13A」は48万回、そして「Experiment #137」は356万回視聴されている。YouTubeには、Diet Coke Mentos類似のビデオが3,299本もアップされ、最も視聴されたビデオは269万回に達している。(それぞれの数字は10月26日時点)

「Experiment #137」


これほどの拡散、波及効果を、どこの誰が予想し得ただろう?また、どんなプロであれここまでのシナリオを描ききることは不可能だ。やはり、メディアとしての地位を得、コンテンツプロデューサーとしても確立しつつある一般ユーザの英知に教えを請わなければならないし、そのバイラルパワーにも力を借りる必要がある。

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