2006/10/12

Blog and RSS for B2B

オンラインマーケティングは急激に普及したが、Emailマーケティング、検索エンジン、バナー広告など、オフラインで使われている一方通行の手段が先行している。

そこで、B2Bのテクノロジーマーケティングにどのようなオンラインアプリケーションがインパクトを持つのか、KnowledgeStormとUniversal McCannが新しいレポートを出した。
4,500人のビジネス、テクノロジーの専門家を対象にBlogとRSS、特に製品・システム購入決定権にかかわるBlog読者の行動、信用、価値、そしてインパクトを調査し、Blogが直面する問題も取り上げている。
  • 調査対象の45%は、企業内でのテクノロジーに戦術レベルで参画
  • 同55%は、テクノロジーの導入、管理に従事
  • 同42%は、IT調査や経験から社内の10人以上に頼られている
  • 同28%は、IT製品・システム購入、購入承認権限を持つ
それによれば、BlogおよびRSS (Real Simple Syndication) が以前考えられていたよりも普及しており、comScoreによれば昨年から56%伸びて2006年7月には5,870万人 がBlogへアクセスしている。これは米国インターネットユーザの三分の一(成人ユーザに限れば半分近いと見られる)ユーザにまで波及するメインストリーム メディアだ。
また、今年初めて、Blogは、無料トライアルデモ、Webセミナー、ホワイトペーパーなどと並び、質の高いプロスペクトを引き付けるコミュニケーション手段として認知されてきた。
(MarketingSherpaの2006 Business Technology Marketing Benchmark Guideによる)
  • Blogはすでに普及
    回答者の80%がBlog読者、51%は最低毎日1回、28%は毎月1回はBlogを読む
  • Blog読者は必要な情報を入手
    テクノロジーバイヤーは、ビジネスおよび技術情報をBlogから入手
    53%はビジネス情報、
    57%は技術情報を毎週、あるいは毎日、Blogから入手
  • Blog情報は信頼できる
    57%以上はBlog情報を、ニュース、業界誌、メーカーのホワイトペーパー、アナリストレポートなどと同等あるいはそれ以上に信頼
  • Blogへの不安・不便
    Blogに対する信頼性
    必要なBlogを見つけ、アップデート情報を入手するのが困難
  • BlogはIT購入決定に大きく影響
    53%はBlogコンテンツが製品購入決定に影響
    (前回調査では、27%がPodcastコンテンツが影響と回答)
  • バイヤーは特定技術Blogに大きな価値を見る
    49%は、CRM、セキュリティやストレージなど特定のトピックに関する質の高いBlogは非常に有用だと判断
  • プロによるBlogが望まれている
    67%は、テクノロジートピックをカバーしている専門Blogが少ないと感じている
  • 読者から書き手へ
    半分近い回答者は、読んでいるBlogにコメントなりを寄稿
    32%は、自分でBlog開設検討
    4%は、すでにBlog開始
  • Blogを推奨する
    バイヤーはBlogを同僚などへ推奨
    70%は適切と判断したBlogを最低、月に1回は転送
  • 31%がRSS利用
    86%はBlogに対して、「まあまあ」から「非常に」知っている
    59%はRSSに対して、「まあまあ」から「非常に」知っている
    31%がRSS(フィード)を理解して利用
  • RSSコンテンツのトップは業界、企業ニュース
    79%が業界、企業に関するニュースをRSSで取得
    58%が一般ニュースを取得
  • 日に1時間、RSSで消費
    25%が5~10RSS、半分が5RSSを購読
    90%が毎日1時間RSSを購読
Source:knowledgestorm
Source:PDF (注:pdfは上のリンクページ下部の「View this now」をクリック後、登録が必要)

ビジネス・テクノロジーの最新情報・アップデートを求める製品・サービスの購入決定権者は米国のみならず、世界中に存在する。その彼らのうち、少なくとも米国の決定権者の80%が重要な情報チャンネルとして認め、毎日のようにアクセスするBlogを活用するマーケティングが求められている。
彼らはビジネス・テクノロジーシーンでのデジタルイノベーター・アーリーアダプターを形成している。既存メディアではタイムラグのある情報収集も、インターネット、Blogであればリアルタイムに近い形で最新情報・アップデートを入手できる。そのため、最新情報チャネルであるBlogを活用しているわけだ。

Technoratiによれば、2006年6月、英語のBlogは全体の39%を占め言語別でトップの地位を占めている。31%の日本語、12%の中国語が続いているが、他の言語ともあわせ、海外へは波及せず、国内で消費されるコンテンツが多い。

ビジネスやテクノロジーの最新情報・アップデートは欧米、特に米国から発信される。そのため非英語圏のユーザは英語のトップニュース・Blogサイトへアクセスすることになる。英語Blogであれば、米国は勿論のこと、非英語圏へも波及、伝播することになる。そして、最新情報を持ち帰ったデジタルイノベーター・アーリーアダプターは、それを自国語へ翻訳し、同僚、上司、業界の知人などへ転送、普及に拍車をかけていくことになる。

Web2.0時代にグローバルなViral Marketingの核のひとつとなるのは、Blogをおいて他にない。

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